はぐれ坊主の破れ説法

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さてここで、諸兄の意識を、ある事業をやっている会社にたとえてみましょう。そして、この会社には二つの事業部があると考えてみましょう。その二つの事業部とは、一、ガンバル生産事業部 二、気楽生産事業部の二部門です。

そしてそれぞれの事業を分担している二人のマネージャーが各部門におります。第一事業部、ガンバル事業部では、所有物、お金、財産、地位、権利、道徳、信用、名誉、知識、技術、他人からの尊敬や賞賛等々の維持と増産を目的としており、日夜、才覚を働かせて少しでもこれらのものを増やそう、あるいは失うまいと奮闘中です。

このマネージャーは言うまでもなく、諸兄の自我意識です。願望達成法や各種のお祈りもこの事業部の生産方式と思われます。ほとんどの人は日頃から、自分の人生の幸福はイコール当事業部の発展と思いこんでおり、そこにのみ生きる意味、生きがいを求めているのが実情です。従って、この事業部が赤字気味になると、大変です。苛々、カリカリ、円形脱毛症など?といって、おつむに図形を描く人も出てくる有様。これは気楽事業部で生産される生気(しょうき)エネルギーを消耗しすぎた結果を表していますから、その回復にはその他もろもろの病と同様、気楽事業部のヘルプが必要です。

また、この事業部が黒字で結構うまくいっていても、よその会社つまり他人との比較感から自分の営業成績に満足が得られないこともしばしばです。言うなれば、ガンバル事業部の部長さんは死ぬまで、ガンバっていなければ、気がすまないのです。この事実に気づいていることは、気楽事業部の発展を促すためにも非常に重要なことですぞ!第二事業部は先程紹介済みの気楽事業部で、当事業部のマネージャーは宇宙意識の分身である諸兄の命そのものです。

ここでは生気(しょうき)エネルギー、霊気エネルギー、或いはたんに「気」などと呼ばれているものを生産しており、この事業部の活動がうまくいって、その生産が順調であるかぎり、諸兄は生き生き、ハツラツとしてまいります。そして、諸兄の周囲の世界は非常にきらびやかに、素晴らしく感じられてきます。自然治癒力は当事業部の生産物ですし、あっと驚く素晴らしいアイデアが湧いてくる有難いご利益の数々も当事業部のサポートがあってこそ、もたらされるものです。

老子様の説かれた「無為」や、一般に行われる瞑想は当事業部の生産方式(生気エネルギーの生産)と言ってよろしいかもしれません。なお、人間以外の生物、たとえばうちの飼いネコのハナチャンなんかは自分の人生を概ね、この第二事業部のみで運営しているようです。ただ、意識の容量が小さいため、喜びや苦しみの生産量も少ないようですが・・・

ガンバル事業部がうまくいっていないと、貧乏、不名誉、信用失墜といった現象が生じてきます。これは気楽事業部が気づいていないと大変です。いらいら人生が始まり、怒りっぽくなり、あるいは逆に無気力になり、ついには慢性的な病気にかかると言った具合、いまどき流行りの突然死に襲われたりしますぞ!

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